とまとの推しが尊い

ジャンルごった煮、推しにまつわることを書き連ねるブログ

24 とまと、推しの舞台を観に行く(その3)

コロナの影響で様々なイベントがオンライン配信に切り替わり、なかなか生のイベントに出向く機会がないまま、半年ほど経ちました……。いや、推しが画面越しに見れるのはめちゃくちゃ嬉しいのですが!やっぱり、やっぱり、推しの息遣いをその場で聞きたい……。

そんな中、運良く!アクセス!できて!!買うことの!!!出来た!!!!一枚のチケット……!!!!!!

渋谷PARCO劇場の舞台、「大地」のチケット。

どうしても推しの芝居を生で見たくて見たくて、一度払い戻しになった時は随分落ち込んで、先行販売で落選してまた落ち込んで、一般販売でなんとか粘り勝った一枚……。買えたときもう滅茶苦茶に嬉しくて、何度も何度も画面見て、ほんとに取れた……?って確認して、夢じゃない……ってぼーっとしてました。ただ、一緒に見に行く予定だった友人は他の日程でもチケットが取れなくて、手放しには喜べなくて……。
コロナは一回死んだほうがいい。っていうか殺させて?私に殺させて???5000000回殺すよコロナ……あんたを…………。

 

……そんな訳で、観ました大地。

最高の舞台でした。

カテコで、客席の大部分がスタンディングオベーションしてて。拍手の音が劇場に響いて、なんだかもう、それだけで涙が出そうになって。

 

とある共産主義国家。独裁政権が遂行した文化改革の中、反政府主義のレッテルを貼られた俳優たちが収容された施設があった。
強制的に集められた彼らは、政府の監視下の下、広大な荒野を耕し、農場を作り、家畜の世話をした。
過酷な生活の中で、なにより彼らを苦しめたのは、「演じる」行為を禁じられたことだった。
役者としてしか生きる術を知らない俳優たちが極限状態の中で織りなす、歴史と芸術を巡る群像劇の幕が上がる!

 

このあらすじだけ読んで、(めちゃ真面目だ……心して見るぞ……)と身構えていたら、まぁ笑いどころの多いこと!!

さすが三谷脚本と素晴らしい役者の皆様方。完璧な間、絶妙な動き。客席も、最初はふふふ、って声がちらほら上がっていたのが、話が進むにつれてどんどん笑い声が響いて。

 

こんなに大勢で一緒に笑ったのなんて、いつぶりだろう。なんて思ったら、笑いながらもなんだか泣きそうになりました。

 

でももちろん、面白いだけの舞台ではなくて。
印象としては笑い6:真面目4という感じでしょうか。
げらげら笑うと、ぐさっとくる一言が発されて、胸がぎゅう、となる。

今回はSocial Distance Versionということで、「コロナによって芝居をできなくなった世界」とリンクする部分が多かったのはもちろんのこと、香港において言論活動が著しく制限されている現状とも被る部分が多々あり、いろいろな社会のあり方や、人間の生き方について、思いを馳せずにはいられませんでした。

 

―芝居って、なんだろう。才能って、なんだろう。生きていくことって、生きがいって、なんだろう。

あんなにゲラゲラ笑って笑って、とあるシーンでは胸がじんわりして温かい涙が出そうになったのに。笑いすぎて痛くなったお腹と、拍手しすぎて痛くなった腕の疲労感のなか、私はぼんやりそんなことを考えていました。

 

私は涙もろくて、大体の映画や舞台、ライブで泣いてしまうたちなのですが、「大地」は泣きませんでした。
それはものすごく、ポジティブな意味で。
「大地」では、特別大きな感情の起伏は生まれません。私達は誰に感情移入するでもなく、彼らの生活を見守ります。だからこそお腹を抱えて笑えるし、色んな人達の生い立ちや立ち回りにそれぞれ少しずつ共感して、大きく社会全体や演劇界全体、ひいては人生について、考えさせられる。

心に大きな跡を残されました。それは、ブラックな笑いという形ではなくて、純粋な笑いの後に残された、置き手紙のような形で。

 

三谷さんと俳優さんたちに頂いた手紙は、この先何度も読み返すことになるんだと思います。素敵な手紙を、ありがとうございました。

 

面白かったので、もう一度配信で見ようと思います。本当はもう一度生で観たいところですが(最後列だったので……)、是非少しでも多くの方に生で観ていただきたいので……!
配信チケットは当日の開演時間まで購入できますので、ぜひ!!!本当に面白いです、間違いないです!配信でも絶対に楽しめます!!

 

 

 

ネタバレ感想はこちら。ただただネタバレを叫んでいるので、未鑑賞の方は絶対に読まないでください。